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歯科医師部会

歯科医師部会情報　№136

遺産分割前の相続財産の権利関係と不動産所得の帰属

　被相続人の財産については、遺産分割協議を経て各相続人に分割され帰属が確定し共有又は単独で所有されることとなります。そして、財産が賃貸不動産であれば、そこから生じる賃貸料収入についても、分割後の財産の所有者に帰属することとなります。

　では、遺産分割協議に手間取り、遺産分割協議に相当の時間を要する場合、その遺産分割前の期間については誰の所得に帰属し誰が申告しなければならないのか、という問題が生じます。

≪民法の規定と解釈≫

　民法の規定では、相続人が数人いて共同相続人となる場合は、各相続人が法定相続分に応じてその相続財産を共有することとなります。したがって、遺産分割が行われるまでは、その相続財産を相続人間で共有することとなります。

　しかし、民法９０９条では、遺産分割の効力は、相続時に遡って生ずるとしているため、相続開始時に分割後の持分で各相続人に帰属することとなります。
　では、相続開始から遺産分割までの間に相続財産から発生した賃貸料収入については、どのように考えればいいでしょうか。

≪国税庁の見解≫

　未分割時において相続財産から生ずる賃貸料収入は、法定相続分又は指定相続分により、各相続人に帰属するとしても、遺産分割後は、不動産を取得した相続人に、相続時に遡って当該賃貸料収入が帰属するという見解と、遺産分割により相続財産の帰属が変更されても、その変更は賃貸料収入には及ばないとする見解があり、過去の判例においても統一されていませんが、国税庁のタックスアンサーにおいては、次のように回答されています。

①未分割の賃貸料収入の帰属

　相続財産から生ずる賃貸料収入については、遺産分割が確定するまでは各共同相続人に、法定相続分に応じて帰属する。

②分割確定後のそれ以前の賃貸料収入の帰属

　分割の効力は、未分割期間中の所得の帰属に影響を及ぼさない。
したがって、①により法定相続分で計算した部分については、分割の確定を理由とする更生の請求又は修正申告を行うことはできない。

令和７年度税制改正法案が年度末に成立

　年度末となる３月３１日、令和７年度税制改正法案が参議院本会議において、賛成多数で可決されました。（施行は原則4/1）
　所得税法等の一部改正法案では、衆議院財務金融委員会での審議において、所得税の基礎控除等の特例など所得税の抜本的な改革に係る措置、財源の確保に係る措置の規定を設ける修正が行われました。

　その他の改正としては、子育て支援に関する政策税制として、住宅ローン控除・住宅リフォーム税制の拡充、生命保険料控除の拡充、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置が延長されました。（具体的な要件や計算等は次月号以降で）

R7年4/11『税経』より

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